老犬に散歩は必要?散歩の方法・嫌がる時や歩かない時の対処法
老犬の散歩は行かなくていいの?
若いころは散歩に行くのが大好きだった犬も、年齢を重ねると散歩に行くのを嫌がり、途中で座り込むことや、すぐに帰りたがることがあります。
愛犬が嫌がるようになっても、散歩に連れていく必要はあるのでしょうか。
老犬に散歩は必要なのか
気の乗らなさそうな愛犬を無理に連れ出すのは心苦しいものです。
「もう年だし、お散歩に行かなくてもいいか」と考えがちですが、結論からお伝えすると老犬でもお散歩は行ったほうが良いのです。
若いころのように毎日沢山歩かせる必要はありませんが、散歩は犬にとって様々なメリットがあります。
散歩に連れていくメリットとは
お散歩は老犬であっても沢山のメリットがあります。
適度な運動の機会になる
犬も年を重ねると、筋肉が衰えてきます。
散歩はペットとして飼育されている犬にとって貴重な運動の機会となるため、散歩を完全にやめてしまうと筋肉が落ちるスピードを早めてしまいます。
無理に歩かせてしまい足腰を痛めないよう配慮をしながら、犬のペースにあわせてゆったり筋肉を動かす機会を作ってあげましょう。
適度に散歩することで運動不足の解消につながります。
気分転換、ストレス解消になる
人と同じで、犬も室内でずっと過ごしているとストレスが溜まります。
外の空気に触れ、太陽の光を浴びることはとても気持ち良いことです。
また、屋外で他の犬のニオイを嗅いだり、普段聞かない音を聞くことで五感を刺激することにも繋がります。
新たな刺激を受けることはストレス解消になり、犬にとって良いことずくめなのです。
スムーズな排泄を促すことができる
幼いころから散歩の習慣がある犬の場合、室内で排泄することがストレスになることがあります。
老犬になる前に屋内でスムーズな排泄ができるようになっていれば良いのですが、そうではない場合はお散歩中の排泄が最もストレスフリーなのです。
散歩を嫌がる理由
老犬でもお散歩は必要ということが分かりましたが、それでも年老いた犬は散歩を嫌がりがちです。
ここでは老犬がお散歩を嫌がる理由について紹介していきます。
体調が悪い
筋肉の衰え、関節のすり減り等により、老犬は『歩く』『立ち上がる』などの動作に苦痛を感じて散歩を嫌がることがあります。
突然お散歩を嫌がったら、まずは愛犬の様子をよく観察しましょう。
気分が乗らない
犬も年を取ると眠っている時間が長くなり、散歩に行く気分になれないことがあります。
歩きだして調子が出てくると、気分よくお散歩できることもありますが、いざ出かけるその時はなかなか腰が重くなってしまうのでしょう。
環境が辛い
体に不調が出やすい老犬にとって、若いころは気にもならなかった環境的要因で散歩を辛く感じることがあります。
特に夏場の暑さや冬の寒さは体に堪えます。
真夏は涼しい時間帯に連れ出す、冬場や洋服を着せてあげるなど、快適に散歩ができるように配慮してあげることが大切です。
▼犬が寒いと感じる気温についてはこちら
老犬の散歩時間
犬の年齢により、必要なお散歩の距離や時間は変化します。
愛犬の年齢や健康状態に合わせて、適切な散歩をしてあげるようにしましょう。
老犬に必要な散歩時間
老犬の散歩の目的は、健康維持や成長の為にたっぷりと運動時間を必要としていた成長期の頃と違います。
年齢を重ねた犬にとって、散歩は「気分転換」や「筋肉を落とさないためのリハビリ」としての効果が求められます。
そのため長時間の散歩というよりは、飼い主さんと歩調を合わせながら無理のない範囲で、数分の短時間であっても十分な効果を得られるのです。
散歩しすぎないこと
長く散歩しすぎたり早く歩かせすぎたりすると、犬はストレスを感じてしまいます。
無理に歩かせすぎないよう、様子を見ながら散歩するようにしましょう。
老犬を散歩させる際の注意事項
老犬は若い犬よりも環境要因で体調に変化を起こしやすいため、屋外に出る際には飼い主さんが気をつけてあげることが大切です。
体温調節の機能が弱くなり、温度の変化を感じる感覚機能も衰える老犬にとって、極端な気温は大敵です。
熱いアスファルトは避ける
背丈が低く地面に近いところに体が来る犬は、アスファルトの温度に影響を受けやすいので、アスファルトが熱いときは散歩を避けるようにしましょう。
必要に応じて、靴や靴下を利用することも考慮に入れましょう。
散歩中に歩かない場合
老犬と散歩中、犬が急に歩かなくなり、イライラしてしまったり、途方に暮れた経験のある飼い主さんもいるのではないでしょうか。
下記のような症状が見られるときは、まず思い当たる要因がないか確認しましょう。
- 愛犬が急に立ち止まる
- 散歩中なのに伏せてしまう
- 震えるなど怖がっている様子が見られる など
ここでは老犬が散歩中に歩かなくなる原因や、その場合の対処法について紹介します。
老犬が散歩中に歩かなくなる原因
老犬が散歩中に歩かなくなる原因として下記のようなことが挙げられます。
ケガ、病気など体調が悪い
足腰が弱くなり、膝や関節に痛みを感じると、散歩中に歩かなくなったり歩くスピードが極端に遅くなることがあります。
特に愛犬が肥満の場合、足腰に負担がかかりやすいのはもちろん、心臓など臓器に病気を持っていることがあります。
愛犬が足を引きずる場合や、段差に引っかかるなど、様子がおかしいときは獣医さんに相談しましょう。
単純に疲れている
老犬は若いころと比較して元気に歩ける距離が短くなり、疲れやすくなります。
また、出だしではしゃいでしまった後などは、疲れが原因で座り込むこともあります。
愛犬の息が上がっているときは、必要に応じて休憩を挟みながらペースを調整しましょう。
リードや首輪が合わなくなっている
若いころから使っているリードや首輪を老犬になってからもずっと使っていると、体形の変化に伴ってうまく体にフィットしなくなっていることがあります。
その場合、リードや首輪を嫌がって歩かなくなるケースがあるのです。
足腰が弱った犬には首輪よりもハーネスのほうが歩きやすいため、年齢に併せてアイテムを変更することも検討してみましょう。
▼犬の散歩中のトラブルについての記事はこちら!
老犬が散歩中歩かない場合の対処法
愛犬が急に歩かなくなってしまうことが頻発すると対処に困ってしまいますよね。
特にからだが大きい犬の場合は動かすのが大変です。
バギーを使用する
お散歩コースの定番と言えば公園ですが、老犬は「目的地までたどり着く前に歩かなくなってしまう」状況になりやすく、お散歩が楽しみにくくなります。
そんな時にお勧めしたいのが、『犬用バギー』です。
家のすぐ近所など見慣れた場所だとテンションが低く歩かない犬も、お気に入りの場所までたどり着けば楽しんで歩けることがあります。
バギーを使用すればお気に入りの場所まで連れていくことができるので、老犬でも楽しくお散歩するチャンスが広がります。
介護用ハーネスとは?
「散歩を嫌がるようになってきた」「家の中でも足取りがふらつくことがある」などの様子が見られる場合、首輪を卒業してハーネスに切り替えるタイミングかもしれません。
介護用ハーネスとは
首だけでリードを固定する首輪と違い、介護用ハーネスは胴回りをしっかり支えられ、歩くのをサポートすることができます。
老犬に歩行サポートを目的としてハーネスを導入するなら、「おなかを下から支えられ、体重がかかっても苦しくない作りのもの」を使用するのがおすすめです。
介護用ハーネスの選び方
介護用ハーネスは、下記のようなことを参考に選ぶと良いでしょう。
ハーネスのタイプ
ハーネスには紐のようなタイプと、洋服のように体を覆うタイプがあります。
老犬の場合、散歩中に足を取られるなど、ハーネスで体を支える状況もあるため、体重がかかっても痛くないように体を覆うタイプを使用するのが良いでしょう。
夏場は蒸れやすいので、メッシュ素材のものを使用するなど体温調節にも配慮すると快適に使用できます。
ハーネスのサイズ
ハーネスを使用するときは、サイズがぴったり合うものを選ぶことが大切です。
体に合わないと抜けてしまったり、擦れるなどして歩くときに痛みを伴うことがあります。
しっかりサイズを測ってから購入するか、試着をするようにしましょう。
着脱のしやすさ
老犬はハーネスを着脱する際にも足腰に負担がかかりやすくなります。
犬が立ったままの状態で着脱ができるものは、体に負担なくスムーズに装着できるのでおすすめです。